最強の営業スタイル「コンサルティング営業の型」を最速で身につける3ステップ

コンサルティング営業の初心者・未経験者でもこの3ステップを着実に実践すれば「型」づくりが出来ます!

今回は僕が考える「コンサルティング営業」の基本的な「型」をご紹介します。

といっても、僕はコンサルティング営業は「ソリューション営業の進化形」と考えていますので、まずはソリューション営業の基本的な型を理解してから、この記事を読んでいただければと思います。

ソリューション営業の基本的な「型」を理解し、実践した上でこの記事を読んでもらうことで、「ソリューション営業とコンサルティング営業の違い」を理解することが出来るようになっております。

その違いこそが、あなたの営業スタイルを「コンサルティング営業に進化させるヒント」になります。

目次

型づくりステップ1:コンサルティング営業とは?その意味を理解して「スタンス」を確立する

まずは、コンサルティング営業とは何か?その意味・定義を理解して、スタンスを確立しましょう。

コンサルティング営業とは、「助言や指導をしながら、顧客の課題を解決するために解決策(ソリューション)の要素として商品やサービスを提供する営業スタイル」のことです。

この定義の理解を深めるには、営業スタイルの4類型「御用聞き営業」「提案型営業」「ソリューション営業」「コンサルティング営業」の理解が必要です。詳細はソリューション営業で最速で結果を出す為の3つの「型」づくりの記事をご覧ください。

コンサルティング営業とソリューション営業の違い

上述のようにコンサルティング営業が「ソリューション営業の進化形」だとしてもどこが違うのでしょうか。

定義を比較すると「助言や指導をしながら」というコンサルティング要素が入っているのがソリューション営業との違いです。

つまり、助言をするためのより専門的な知識、指導するための育成スキル(ティーチング、コーチング、カウンセリング、フィードバックなど)が能力として必要になります。

助言や指導を営業プロセスで行う結果として、「先生ポジション」=「コンサルタントポジション」を獲ることが出来ます。

コンサルティング営業は、この専門知識と育成スキルを駆使して、顧客の課題解決策として商品やサービスを提供する営業スタイルなのです。

まとめると、①特定の分野に関するコンサルタントに近い深い専門性のある知識と能力を保有していること②先生ポジション=コンサルタントポジションを確立していること、この2点が違いと言えると思います。

なお、コンサルティング営業が成功したか否かの一つの基準は「営業活動そのものでお金がもらえるか否か」です。コンサルタントは訪問自体、電話自体でお金をもらえるぐらいの価値を提供します。その考えと同じようにコンサルティング営業が成功したか否かの判断基準は「営業活動そのものがお金を払うに値するか否か」と言えます。わかりやすい例を挙げると「企画費」をもらえるか否か。企画費をもらえるということはソリューションだけでなく、その営業活動そのものにお金をもらえたと言えるからです。

コンサルティング営業の種類

コンサルティング営業には、「コンサルタントによるコンサルティング営業」「営業職によるコンサルティング営業」の2つがあります。

前者は、コンサルタントが顧客の課題解決のために自身の持つコンテンツを売り込んだり、コンサルティングサービスを売り込む場合の営業活動です。

一方で後者は、コンサルタントではない営業が顧客の課題解決のためにコンサルタント的な立場で助言や指導をしつつ、課題解決策として、商品やサービスを売り込む場合の営業活動です。

どちらも営業スタイルとしては、「コンサルティング営業」なのですか、その主体がコンサルタントなのか、営業なのかによって異なります。

ちなみに、前者の場合は、その訪問や面談が「原則無料の営業活動なのか」「原則有料のコンサルティング活動なのか」その線引きを営業主体者であるコンサルタント自身が行う必要があります。
(僕は2社目の時に、この無料の営業活動と有料のコンサルティング活動の「線引き」がなかなかうまく出来ず、無料のコンサルティング活動という最悪な形の営業活動をしてしまっていました・・)

型づくりステップ2:コンサルティング営業の基本プロセスとは?ソリューション営業プロセスに「先生ポジションの確立」を加えて習慣化する

コンサルティング営業の「スタンス」が理解できたら、次はそのスタンスを実現するための「プロセス」です。

これも基本的には「ソリューション営業の型」がベースになりますが、大きく違うのは「先生ポジションの確立」が各ステップに加わることです。

これも「準備フェーズ」と「実行フェーズ」の2つに分けて、解説します。

準備フェーズ

ステップ1:顧客理解を通じて、「コンサルタントに近い高い精度の」課題仮説と解決策仮説を考える

顧客理解を通じて課題仮説を立てるところまでは一緒ですが、その仮説の「精度」が一般的なソリューション営業と異なります。コンサルティング営業の場合は、業界動向、経済動向、他社動向などの様々な外部環境に関する情報、収集しうる顧客内情報から「精度の高い仮説」を構築します。

ステップ2:実行フェーズが仮説通りに進むとした場合、「魅せる・刺さる(可能であればオリジナルの)コンテンツを含む営業ツール」を準備する

ソリューション営業の場合は、顧客をファンにするまでの「顧客グリップ」は不要でしたが、コンサルティング営業として「先生ポジション」を確立するためには「魅せる・刺さる(可能であればオリジナルの)コンテンツを含む営業ツール」をあらかじめ用意しておくことをおすすめします。

そういったツールを自由自在に現場で(ライブで)使いこなして、顧客の課題を解決する道筋を見せることが出来れば顧客も専門性を認識して、「先生ポジション」を確立しやすくなります。

ただし、1点注意点があります。ツールに振り回されないようにすることです。ツールをこれ見よがしに提示して、顧客に見せたがいいものの全く顧客の課題解決に使えなかったり、自分自身がそのツールを理解していなくてしどろもどろになると逆効果です。ですので、ツールの準備と併せて、ツールを使いこなす「練習」をあらかじめしておくことをお奨めします。

実行フェーズ

ステップ3:「先生ポジション(=コンサルタントポジション)を前提とした」信頼関係の構築を行う

コンサルティング営業を仕掛ける場合、最も重要になるのがこのステップです。このステップで「先生ポジション」を確立することが出来ないと、その後のステップが「単なるソリューション営業」になってしまいます。

ステップ4:「助言と指導を通じて」顧客とのヒアリング&ディスカッションを行い、課題を明確にし、解決策(案)を固める

このステップもコンサルタント的に助言や指導を顧客に対して行いつつ、先生としての立ち位置を取りながら課題と解決策(案)を固めるようにします。

この際に、ステップ2で用意した「コンサルティング営業ツール」を現場感たっぷりに使いこなして、先生感を出して場をコントロールすると良いと思います。

ステップ5:ソリューション企画のパワープレゼンテーション

このステップのソリューション営業との違いは、企画書などの「紙に落とすコンテンツ」「現場で魅せるコンテンツ」の二つを用意することです。

せっかく現場でプレゼンテーションを行う以上、単なる企画書を使ったプレゼンではなく、現場で「企画書の行間を補足する」「紙面上では分からない部分を伝える」魅せるコンテンツを用意して、顧客の心を掴むパワープレゼンテーションになるようにします。

ステップ6:クロージングする

プレゼンテーションした後は、提案しっぱなしではなく、しっかりと受注を決めるためにクロージングをします。

ちなみに、営業活動においてクロージングとは「顧客と契約を締結すること」を意味します。商品販売やサービス提供の契約を提携し、初めてお金をもらう法的根拠ができるためです。

型づくりステップ3:コンサルティング営業の基礎力とは?ソリューション営業のマインドとスキルを進化させて、さらに自己成長させる

型づくりステップ1でコンサルティング営業の「スタンス」を理解し、型づりステップ2でそのスタンスを実現するための営業プロセスを理解しました。

最後に、そのプロセスを経て営業活動を行うための「コンサルティング営業の基礎力」を解説します。「スタンスの確立→プロセスの理解→基礎力の理解と実践」を現場で意識しながら、反復継続することで「コンサルティング営業の型」が出来ていきます。

コンサルティング営業の基礎的な「マインド」

まずは、マインドです。ソリューション営業では「単なる営業ではなく、顧客の問題や課題を解決するプロフェッショナルである誇り」を意識することと解説しました。

コンサルティング営業ではさらに一歩踏み込んで「課題解決のための助言・指導する先生=コンサルタントとしての誇り」を持つ意識に一段高めていただきたいと思います。

単なるソリューション営業ではなく、この課題を解決する先生=コンサルタントとして顧客のことを顧客以上に考え「真のクライアントファースト」のソリューションを提供するという強いマインドセットを行います。

このマインドセットでコンサルティング営業を行うと、営業フェーズでの提供価値が高まり、営業活動自体にお金がもらえるようになります。(その際は、あらかじめ企画費として営業フェーズの自分の時給について伝えておく等の工夫があった方がより効果的です。)

コンサルティング営業の基礎的な「スキル」

では、スキルとしてはどのようなものが必要なのでしょうか。ソリューション営業の記事と同様に「準備フェーズに必要なスキル」と「実行フェーズに必要なスキル」の二つに分けてご紹介します。

準備フェーズ

「精度の高い仮説を構築できる」顧客理解力…こちらはソリューション営業と同様、顧客の精度の高い課題仮説を立てるために必要な顧客に関する情報を収集し理解を深めます。ソリューション営業との違いとしては、この顧客理解力よりも、この後の実行フェーズで求められる「精度の高い仮説」を構築する思考力に差が出ると思います。

実行フェーズ

「よりコンサルタントに近いハイレベルな」思考力…思考力についてはソリューション営業と同様、論理的思考とイメージ思考をベースにした「仮説思考力」「問題・課題解決思考」の二つが必要です。ただし、先生ポジション=コンサルタントとして「精度の高い仮説」「スマートで明快な問題解決プロセス」を魅せるために、よりコンサルタントに近いハイレベルな論理的思考力とイメージ思考力が求められます。

「顧客の心を鷲掴みにする」コミュニケーション力…コミュニケーション力には、ソリューション営業と同様「質問力」「傾聴力」「プレゼンテーション力」「ネゴシエーション力」「ファシリテーション力」の5つが必要です。このスキルの中で、コンサルティング営業が一般的なソリューション営業と異なるのは「質問力」と「プレゼンテーション力」です。前者は、「よりコンサルタントに近いハイレベルな」思考力から導き出された仮説の精度が高いため、「切れ味の鋭い問い」を発することが求められます。後者は、現場力で魅せる、または、志を乗せるなどの通常のプレゼンテーションよりハイクオリティなパワープレゼンテーションが出来ることが求められます。

「特定の分野に関する圧倒的に深い」専門知識…ソリューション営業では「課題リスト」と「解決策リスト(カタログ)」を正しい知識として理解・記憶していることが必要ですが、コンサルティング営業ではさらにもう一歩踏み込んで助言・指導する必要があるため「特定の分野に関して圧倒的に深い」専門知識が求められます。大きく分けると「良質なコンテンツ」「考えるためのフレーム」の二つです。前者(良質なコンテンツ)は、可能であればオリジナルコンテンツが良いのですが、顧客に「なるほど!」「そういうことか!」「すごく分かりやすいです!」「社内でも使わせてもらいますよ!」という反応がもらえる質のコンテンツが理想です。また、後者(考えるためのフレーム)は、顧客の「?(なんだろう)・・・(考える)!(あっ、そうか!)」という反応を得るために思考を整理して上げる思考の枠組みです。