新規開拓営業を【愉しむ】秘訣/コツと黄金の1+3ステップ

新規開拓営業は「大変」「辛い」「しんどい」「やめたい」…でも、どうせやるなら愉しくやりませんか?名も無し、実績無し、営業経験無しでも、新規開拓で結果を出し続けきた秘訣を紹介します!

新規開拓営業という仕事に関して「大変」「辛い」「しんどい」「やめたい」というネガティブな気持ちになっているあなた、おめでとうございます!

なぜおめでとうかと言うと…このページでは、新規開拓営業という仕事を「どうせやるなら愉しくやる」ための秘訣を包み隠すことなく紹介しているからです。

何を隠そう僕自身、新規開拓営業が嫌いで嫌いで、本当に辛くて、泣きながら営業していました。しかも、上司が体育会系の人で報連相すら恐怖…そんな3重苦5重苦の中で営業していた人間でした。

しかし、「仕事人生における新規開拓営業という仕事の価値」を見出して、「愉しむ秘訣/コツ」を会得し、10年以上新規開拓営業をやり続けています。今では、新規顧客開拓という仕事が愉しいと思えるようになりました。

ここでは、僕が10年以上に渡る新規開拓営業の経験から導き出したノウハウを余すところなく開示します。

このページを読むことで、「かつての僕のように新規開拓営業という仕事で苦しむ人」が日本から1人でも減ってくれたら嬉しいです。

さて、さっそく中身に入って行きましょう!

仕事人生における新規開拓営業という仕事の価値とは?

まずは、あなたが今苦しめられている新規開拓営業という仕事がどれほどの「価値」があるものか理解しましょう。

そのためには、なぜ新規開拓営業をしないといけないのか?という背景の理解が不可欠です。

ビジネスが成立するためには顧客群(市場の意味で使います)が必要ですが、その顧客群を狙っている「競合」が必ず存在します。

市場には、自社と競合しか存在しません(3Cですね)。

そして、その競合はあなたのビジネスの顧客群を奪うため(既存顧客)、もしくはまだ開拓していない顧客群を開拓するため(新規顧客)にあらゆる手を尽くして、攻撃してきます。

ビジネスは「戦争」です。自分の既存顧客を守りながら、まだ開拓していない新規顧客を開拓する「攻防一体の戦略」が必要なのです。

しかし、既存顧客だけに依存していては、すでに納品・提供済みの商品・サービスに加えて別の商品・サービスを提供するか(クロスセル)、上位ランクの商品・サービスを提供するか(アップセル)、しかありません。打ち手が少ないのです。

そこで、企業を継続的に成長・発展させるために新規顧客開拓をする必要が発生します。ちなみに、どの企業でも新規顧客開拓は必要ですし、新規顧客開拓営業が出来る人財を欲しています。

つまり、新規顧客開拓営業が出来る、そのスキルを持っているということは、この資本主義社会に置いて「高く評価され、重宝される人財」である証明なのです。

新規開拓営業を愉しむ秘訣/コツとは?

しかし、それほど世の中から求められている新規開拓営業という仕事ですが、はっきり言って人気職種という訳ではありません。

むしろ、「大変」「辛い」「しんどい」「やめたい」…というネガティブな印象があり、出来ればやりたくない、避けたい職種のように思われています。

それは何故でしょうか?その理由に、「愉しむ秘訣/コツ」のヒントが隠れています。

ズバリ!「営業を仕掛ける相手に断られるから」です!

既存顧客への営業、つまり、顧客深耕営業の場合は、基本的に信頼関係もビジネス上の関係もありますので、原則アポや訪問そのものを断られることがありません。

しかし、まだ信頼関係もビジネス関係もない見込み客にアタックする新規顧客開拓営業は断られることだらけです。アポも訪問も提案も何もかもです。

僕も1社目で歯科医院に対して医療機器や歯科材料の営業をしていた時に、飛び込み営業を毎日毎日していました。コツを会得するまでの90%は「断れていました」。本当に辛かったです。今でも鮮明に思い出せるぐらい情けなくて、泣きながら営業していました。「あなたは入りません」と失恋したような気持ちに似ています(笑)

新規開拓営業が「相手に断れることが一番辛いのだ」ということに気づいてから、ある秘訣にたどり着きました。

「営業を仕掛ける相手に断られないように営業すればよい」といことです。

この秘訣は具体的には4つのステップに分解されます。

1つ目は、断られる可能性が低いターゲットリストをつくる
2つ目は、断られない初回アポ取りをする
3つ目は、断られない初回訪問、2回目以降訪問のアポ取りをする
4つ目は、断られない提案をして、クロージングする(受注する)

1つめのターゲットリストづくりは、営業というよりも営業の事前準備=マーケティングの段階になるため、僕は新規開拓営業における「黄金の1+3ステップ」と呼んでいます。

では、それぞれのステップを見て行きましょう。

ステップ0 断られる可能性が低いターゲットリストをつくる

実はこのステップが断られない新規開拓営業をする上で一番大切です。

このリストが「断られる可能性が低いターゲットリスト」になっていなければ、この後、どのように断られないアポ取り・訪問・提案をしても断られる可能性が高いためです。

では、どうすれば、断られる可能性が低いターゲットリストをつくれるのでしょうか。以下の流れでつくります。

1)あなたが売りたい・提供したい商品・サービスの「購入ニーズがありそうな見込み客」をピックアップする。【セグメンテーション】
元リストは、上場企業であれば四季報、非上場であればネット電話帳や企業データベースからつくることが出来ます。そこから、あなたが売りたい・提供したい商品・サービスを購入してくれそうな企業を選定します。

2)次に、その購入ニーズがありそうな見込み客から「購入可能性が高いポテンシャルがある見込み客」をピックアップし、アタックの優先順位付けを行います。【ターゲティング】
ニーズがあっても、資産や企業規模からその商品・サービスを購入する可能性が低いとアタックして意味がありません。そこで、購入可能性が高い見込み客をピックアップし、同時にどこからアプローチするかアタックの優先順位を付けます。

ステップ1 断られない初回アポ取りをする

このステップのゴールは、「初回訪問アポが確定している状態」です。

まずは、あなたが売りたい・提供したい商品・サービスに合った「アポ取りのためのアプローチ方法」を選択します。

テレアポ、メールアポ、飛び込み、紹介、セミナーなどがあるかと思いますが、その中で最も効果的だと考えるアプローチ方法を選択してください。

次に、そのアプローチ方法を行った際の「断られにくいタイミング」と「断られにくいオファー」を考えます。

前者は、いわゆる「ゴールデンタイム」というものです。例えば私が1社目で飛び込み営業を仕掛けていた歯科医院は「昼休み前」と「診療終了後」が飛び込み営業のゴールデンタイムでした。ちなみに、法人相手の場合は、午前9~10時の間が在席率が最も高い=ゴールデンタイムと言われています。

後者は、「断られないオファー」を用意するということです。そのためには、ターゲットリストの見込み客では「どの見込み客も欲しがっている、あったら嬉しいもの、助かるものは何か?」を考えることです。例えば、私が1社目に飛び込み営業を仕掛けていた歯科医院の場合は「材料屋よりも安く買える歯科材料の提案」「海外の高性能タービン(歯を削るドリルのような医療機器)のデモ」が断わられないオファーの代表でした。

とにかく、初回アポ取りが出来ないと営業訪問できず、商談にならないため、全精力をつぎ込んで初回アポを「NO」と言わせない、「断れないオファー」を用意してください。

なお、あなたとのアポを断る理由をあらかじめ書き出して、その理由を論理的につぶしていくトークを用意しておき、相手に言われる前に言ってしまうことで、断れないオファーの成功率が高まりますのでお試しください。

ステップ2 断られない初回訪問、2回目以降訪問のアポ取りをする

このステップのゴールは、「初回訪問、2回目以降訪問アポが確定している状態」です。

初回訪問前の事前準備をする

ステップ1でうまく初回アポ取りに成功したら、訪問までの間に「顧客理解」を深めます。企業規模、組織図、事業内容、事業戦略(上場企業の場合、中計なども手に入る)に関する情報を収集します。

そして、その顧客理解の下で、「ニーズ・課題仮説」を立てます。こういった事業戦略であれば、こういった商品・サービスのニーズがあるのではないか?といった具合です。顧客理解が深ければ深いほど、「精度の高いニーズ・課題仮説」を立てることが出来るため、初回訪問時に「フック」をかける成功率が高まります。

また、そのニーズ・課題仮説の解決に適した商品・サービスの資料を準備し、併せてどのような会社紹介をすれば効果的か会社紹介のイメージも固めておくとよいでしょう。

初回訪問では質問⇒ヒアリングに徹した「情報収集」と信頼構築のための「情報提供」を行う

まずは、自分が何者なのか?会社紹介と自己紹介を行います。この際に、「ニーズ・課題仮説」の解決に役立てることを伝えて、ジャブを打って、ニーズを検証します。

その次に、事前準備した「ニーズ・課題仮説」に基づく質問をオープンクエスチョンとクローズクエスチョンを使い分けながらヒアリングします。情報収集に徹してください。

ヒアリングをする際には、以下の項目を必須で訊きだすようにします。これらの項目が最低限訊きだせていないと、効果的な提案が出来ません。

購買ニーズ(顕在ニーズと潜在ニーズ)
そのニーズを満たす商品・サービスの購入可能性・時期・予算
DMU(購買意思決定権者)が誰か? 例:アポの相手か?それとも上司か?
DMUへのインフルエンサー(影響者)が誰か? 例:結局社長が決めるのか?

よく出来ない営業職の人が初回訪問で商品やサービスの紹介をしていますが、これが大間違いです。「断られやすい訪問」の典型例です。

「断られない訪問」にするためには、「アポの相手の役に立つ訪問」にすることです。決して、初回訪問で売り込んではいけません。売り込むのは2回目以降です。売り込まずに、情報収集と情報提供に徹することが信頼関係を構築します。

初回訪問で提案アポまで持っていけなかった場合は、2回目訪問し、さらなる「情報収集」と「情報提供」を行う

初回訪問で「次回提案アポ取り」というゴールを達成できるのが理想ですが、出来なかった場合は、初回訪問で顕在化したニーズを満たす情報を提供するための2回目訪問を行います。

2回目訪問では、初回訪問で得た情報から考えた「より精度の高いニーズ・課題仮説」を検証する質問を駆使したり、情報を提供することで、提案出来る状態まで与件を固めるようにします。

初回訪問、2回目訪問で意識すべきポイントと注意点

提案前訪問の時に意識すべきポイントは、下記の通りです。

顕在ニーズは競合がいる可能性があるため、可能であれば潜在ニーズを顕在化する
「鋭い問い」を投げかける
ニーズが顕在化できたら、その解決策としての商品・サービスの購入時期を「いつか」から「今・直近」に時間軸を入れて、「今すぐニーズ」にするように促す
「今すぐニーズ」に出来たら、次回そのニーズを解決プレゼントとしての提案を持ってくることを伝える

また、注意点は以下の通りです。

アポの相手がDMUで無かった場合は、DMUにアプローチするまで諦めないこと
アポの相手の「社交辞令的な表面上の対応」に振り回されないようにすること

ステップ3 断られない提案をして、クロージングする(受注する)

このステップのゴールは、「クロージング(受注)できている状態」です。

提案の下書きをつくる

いきなり提案書などを書くのではなく、改めて初回訪問・2回目以降訪問で得た情報から、ニーズ・課題をノートなどに書き出します。

ノートに書き出したら、そのニーズ・課題にはどのような提案が効果的かを考えて、提案書や展示場への誘致、サンプルの持参など提案ツールを準備します。

断られない提案をする

断られない提案をする際のポイントは「これまでの訪問で固めた与件がズレていないかの確認をしてから、提案を行うということ」です。

僕はよほどの顧客理解と関係性が無い限りは、本題を提案する前に与件を丁寧に確認して「前提」がズレていないか、その与件が提案までに変わっていないか、変更になっていないか、を確認します。

そのプロセスで「YES」を引き出して、提案相手に安心と信頼を持ってもらいます。(YESセット話法と言います。信頼構築を加速する効果がある話法です。)

与件の確認が完了したら、本題に入ります。本題の提案は、「概要1つ」と「詳細3つ」と「概要の再確認1つ」の構成で行うことがおすすめです。

概要で全体像を示したあと、詳細をマジックワードの3つに分けて提案します。その後、再度概要として全体像を示して、この提案を受けるという行動の依頼行為をします。

提案をする際には、理論だけでなく、情熱を込めて、行いましょう。人間は感情の生き物なので、論理だけでは動きません。感情と利害によって動きますので、そこをあなたの情熱で気持ちを込めて行いましょう。

断られない提案のポイント

最後に断られない提案のポイントですが、新規顧客開拓営業の際は、「初回訪問で大きく風呂敷を見せて、どれか一つでも引っかかるという可能性を拡げること」が大切です。

そして、大きく風呂敷を拡げて、最もニーズがあり、受注しやすいものを小さくても良いので確実に受注します。

もし可能なら、受注後に少し拡げて、受注し最大利益を獲得する営業が出来れば理想ですが、「大きく入って、小さく確実に受注すること」を意識して臨むことをおすすめします。

まとめ

以上が、「新規開拓営業を愉しむ秘訣/コツと黄金の1+3ステップ」です。

再掲すると以下の通りです。

新規開拓営業を愉しむ秘訣/コツは「営業を仕掛ける相手に断られないように営業すればよい」といこと。

黄金の1+3ステップは、

1つ目は、断られる可能性が低いターゲットリストをつくる
2つ目は、断られない初回アポ取りをする
3つ目は、断られない初回訪問、2回目以降訪問のアポ取りをする
4つ目は、断られない提案をして、クロージングする(受注する)
ですね。

さらに、これらの1+3ステップを進む際に具体的な経験を内省し、セオリーを導き、そのセオリーを次の行動へ反映する「経験学習サイクル」を回すことを意識すると鬼に金棒です。

なお、新規開拓営業だけでなく全営業に共通する「スピード対応すること」「接触頻度を上げること」は競合を早急に排除するためにも効果的ですので、併せて意識しておくと良いでしょう。